台風の被害を減らす方法 〜小笠原諸島の地元民に学ぶ防災対策〜

台風19号の日本上陸が間近に迫っています。
この記事では小笠原諸島に住んでいるからこそわかる台風対策とコツについて、お伝えできたらと思っています。
私は小笠原に再移住してまだ6か月の小笠原初心者みたいな身ですが、熱帯の島からの教訓として学んでいただけたら幸いです。
そして役に立つと感じたら、ぜひ記事のシェアをお願いいたします。

1:小笠原諸島では台風被害がすごく少ない。なぜなら対策がしっかりしているから

小笠原では台風対策のことを「台風養生」と言います。
この記事では養生と書くと伝わりづらいので、「対策」という単語で統一します。
小笠原に住んでいると、台風は生死や経済活動に諸に関わる存在です。
だから、島民は本当に台風に対して敏感です。
熱帯低気圧が発生してから通り過ぎるまで、島は警戒に次ぐ警戒をします。
その警戒に基づく対策がしっかりしているからこそ、台風被害が少ないと言えます。

2:気象庁はあてにしない。米軍の気象情報で台風情報はチェックする

小笠原の地元民、特に漁師と欧米系や旧島民の人は本当に台風情報が早いです。
そして気象庁の情報はあてにしない。
米軍の発信する台風情報サイトで、台風発達前の熱帯低気圧の段階で警戒します。
なぜなら、気象庁の予報は台風が発達してから報じるので、内地の人はまだ間に合いますが、小笠原で対策するには間に合わないからです。
また小笠原の米軍統治を経験した世代は米軍の情報の方が精度が高いと知っています。
なので、小笠原では情報収集や推測の段階で心構えが違います。

3:台風は命に関わる災害。常に心構えをしておく

2013年から2014年まで島に初めて移住していたとき、お世話になったからから忠告されたことがあります。
「常に3ヶ月分の食料を備蓄したほうが良い」
小笠原は飛行場がなく、物流は1週間に1度の定期船しかありません。
東京からの船便に物資の輸送を頼っています。
薬も食料もすべて、船便です。
だから台風で船が欠航が決まると、スーパーの生鮮食品の棚はほぼすべて売り切れます。
また医薬品などもある程度、ストックしておくのは常識です。
そして生鮮食品の以外の食品や必需品も、ある程度備蓄しておくことが常識です。
そうした意味で、皆さん日々の心構えがあることが台風被害の予防になっています。

4:台風対策は万全に。危ないと思ったらすぐ避難

台風養生(対策)は幾つかの段階に分かれます。
まず、漁師やダイビング業者は養生が必要になると船をしっかり紐などで縛りつけます。
沖に流されたりしないように、対策を万全にします。
その次に個人宅は窓が雨風で破られないように、しっかり閉じる対策をします。
また屋外の洗濯機に水を入れて重くすることで風で飛ばないようにしたり、外に置いてあるものは片付けます。
また停電対策に充電をしたり、お風呂場に水を貯めたりもします。
その上で防災無線で避難所が開設された場合に、必要だと判断した場合にすぐ避難できるように、避難セットを用意しておきます。
台風が近づいてからの避難は本当に危険なので、避難所も台風がある程度大きいあるいは近いとわかったらほぼ速攻で開設されます。
小笠原は崖や山もある程度あり、土砂崩れの被害もある地域もあるので、各家庭の判断で素早く避難します。
こうした日々行われる対策が被害の減少につながるのだと思います。

5:台風に対する備えで重要なのは、日々のリスクへの危機意識

小笠原諸島は完全に熱帯地域なので、スコールも多く天候も非常に変わりやすいです。
そのせいか、島の人は傘が役に立たないことを知っていて、レインスーツの上下は普通に持っています。
またヘッドライトなどのアウトドアグッズも日常的に持っている人が多いです。
こうしたちょっとした備えがいざというとき役に立ちます。
また日本の夏の気温上昇やゲリラ豪雨の数の増え方を見ていると、気候変動の影響で日本列島は温帯地域から亜熱帯地域に変わったと考えることができます。
でも残念ながら政府や行政は、気候変動による日本の環境への影響をすごく甘く見積もっているという気がしてなりません。
台風は災害です。ただし地震や噴火より予測しやすい災害です。
災害に対する対策は日々、危機意識を持って対策すること。
いざというとき、行政や国は麻痺します。そのとき、誰が自分の命を守るか。
そうしたリスクに対する危機管理意識を持って行動することが大切です。

6:まとめ 〜今後の台風に備え、二次被害を防ごう〜

そんな訳で、私は今後来る台風に備えをしたほうがいいと思います。
特に千葉県南部など前回の台風15号で被災した地域に台風19号などが通る場合に、本当に被害が甚大になると思います。
であるならば、各行政の首長は被災エリアの住民で補修が終わっていない住民に対して、他県や他地域への一時避難を促すなど対応をしたほうが良いのではないでしょうか。
日本は災害大国ですが、台風に対してまだ危機意識が甘い気がします。
「日本は熱帯地域に変わった」ということを前提に、今後対策を行っていくことで、二次被害を防いだほうが良いのではないでしょうか。
台風19号は非常に大きいです。
いまからでも、しっかり備えをしていきましょう。

7:参考サイト

米軍(アメリカ海軍):台風情報
Joint Typhoon Warning Center (JTWC)
https://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html

気象庁:台風情報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/

東京都:防災ホームページ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/index.html

ABOUTこの記事をかいた人

1976年生まれ。写真家&文筆家。幼少期に虐待を経験後、中学で不登校に。20歳通信制高校へ進学+22歳法政大学へ入学。25歳で躁うつ病を発病後、フリーランスカメラマンに。2010年キヤノン写真新世紀佳作受賞。2013年小笠原諸島移住中にスイスで写真展を開催。2016年鎌倉に移住。2019年小笠原諸島に再移住。